『君に届け』を見て、日々、乙女力を高めてる。いや、高めてどうするんだって話だが。
この作品は、ほんと登場人物の視点だけじゃなく、彼ら彼女らの周りにいる人々の視線――噂だったり、じろじろと見る流れだったりが、露骨に出てくるんだよね。
言ってしまえば、ガッチャマンクラウズインサイトみたいにね。前にも言ったけど。
最初の頃は、主人公である黒沼爽子は容姿が貞子っぽいから。(かなり誤解があると思うんだが)貞子ってあだ名にされて、それで暗い子、話したら呪われるなど、とんでもない噂ばかり流されてね。大変だったんだけど。
主人公がそんな噂、屁でもないって子でね。
主人公とは真逆のような風早というイケメン(分類別でいうと、ジュノンボーイのような)に出会ってね。シンデレラ的というか。恋愛がはじまるんだけど。主人公は王子様のような風早に憧れるけど、実は風早の方も爽子を気にかけてたっていう。
まぁ、一言でいえばファンタジーではあるが。
(というか、この風早は性格もイケメンで。ほんと、世の中のモテないスピリットはどうすればいいんだって話だが……あ、関係ないかこれは)
王子様と噂されるような人物と。
貞子とあだ名される少女。
これだからもう、周りの人々は噂し放題でね。
(ま、結果的には爽子はそんなのに屈しないんだが)
所詮、姿・形もない曖昧模糊とした有象無象の魑魅魍魎なのが噂――ではなく。実際はただの人からこぼれた屁のようなものでね。そんなもん、気にしねーぜって爽子は一途でね、これがまた。途中何度も障害にぶつかりながらも、がんばって。その姿がほんと泣けてくる。
周りからは悪い評判があるかれど~(言い方を変えてるが)ってのって、ようはフランケンシュタインの怪物に見られるような仕組みだよね。
周りからはこう思われてるけど、実は根がすごい優しい子。
そこのとこは、おもしろいことに『俺物語』にもつながってるんだね。
案外、次流行るのは爽子や猛男よりもっと強烈なシザーハンズのような奴が出てくるかもしれんね。