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蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

ラストのあの手を取りたい印象を受けてしまう(映画『紙の月』 感想) 

 プリクエルをプリクルと、ポケモンみたいな名前に間違えた俺にツッコミがなかったわけだが、それは喜んでよいのか。悪いのか。

 ちなみに、見終わったあと家に帰って爆睡した。超ねむい

 

 

 

 

 どうも、蒼ノ下雷太郎です。

 諸事情により、この前見た『紙の月』の感想でも書きましょうかね。

 あ、いや、スターウォーズはね……。いや、やめよう。火の粉をかぶる気はない。

 角田光代原作の、小説を映画化した作品。

 監督は、『桐島、部活やめるってよ』で有名の吉田大八監督。

本谷有希子さんという、何度か芥川賞候補になってる劇作家の作品腑抜けども、悲しみの愛を見せろというのも映画化している。筆者はこの人を何で知ったか忘れたが、自分の名前の劇団を持ち、劇団ではいつも演じる俳優が変わり、やりたい放題、しかしちゃんとやることはやってるというか数々の文芸賞、演劇の賞も取ってるんだよね。(岸田國士戯曲賞とか))

 と、話題がそれた。

 本谷有希子さんはおすすめなんでね、知らない人はぜひともチェックを。

 

 いや、話題がそれすぎだ。

 主演は宮沢りえさん。ライムスター宇多丸さんが評するように、最近の日本映画でイケメンが冴えない役をやっても(嘘つけよ)と思うのがほとんどだが、これは違う、宮沢りえさんが演じるのは美しさが必ずしも幸福につながってない役なんだよね。

 主に泣いてますか!

 というような人物だ。

 映画自体は非常にシンプルで、宮沢りえ演じる女性が銀行の横領をするというストーリー

 とてもシンプル。

 しかし、映画は無駄な説明や心理描写をせず、淡々と映していく。映していくが、しっかりと編集や役者の演技によって、細かいことがちゃんと演出されてるんだよね。ここがすごいと思った。

 

 例えば、主人公はけして恵まれていない(外面だけは恵まれてるように見える)生活や、突然起きた事態に怯えながらも内心ドキドキしていた、など。しっかりと説明しているんだ。余分な説明はなく、すっきりと。これって、相当の技量がないとできないことだ。俺も比べるのもおこがましいが、一応小説を書いてる身だ。だからこそ、説明をあまりしないで、それで必要なことをちゃんと伝えるってのは高度にも程がある。

 ブログ書いてる人だったら、少しは分かるんじゃないだろうか。

 吉田大八監督は、~行以内で書けと言われたら、書ける人なのかね。

 

 主人公は退屈な日常を壊すかのように、犯罪に手を染めていく。

 園子音監督の作品で恋の罪という映画があったが、あれのラストはゴミ収集車に遅れて、ゴミを両手に主婦が追いかけるってシーンだ。それがまた、何やってるんだろうと主人公とそれを見る観客の心を一体化させるものだったが。

 これにもその魔力がある。

 美しさが幸福につながらない主人公。しかも、結婚している夫はこっちを見てるようで見ちゃいない。確かに一見、恵まれてるようには見える。だが、ふと顔を上げると、意識してしまうと――見たくないものが、彼女の日常にはあった。

 いや、実際はこれ誰もが共通することだと思う。

 順風満帆な家庭なんてあるはずがない。家庭は一つの世界であるなら、まともな家庭なんてあるはずがない、まともな世界が存在しないのと同じで。その実体をありありと見せるようにまた園子音監督の作品で自殺サークルを上げたいけど。これもおすすめです。

自殺サークル [DVD]

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 宮沢りえ演じる主人公が望んだことは、最近のキャラクターの価値観と共通している。

 この世界をブッ壊したい、だ。

 進撃の巨人は壁の破壊を夢見て。

 某ルルーシュさんは破壊したいんだけど、何もできないことに憂えて。

 あと、ガッチャマンクラウズも最初は主人公やあの男の娘に、その兆候が見られた。

 まだやってるのか中二病といってしまえばそれまでだが、しかし、病とはそう簡単に消えないからこそ病なのであり、例え比喩でしかない中二病も一応病とするのなら、大人になってもずるずると引きずる者だっている。いや、そもそも病とは誰にも起こる現象だ。そう、この映画は最終的には男も女も関係なく、ラストのあの手を取りたい印象を受けてしまう。

 

 主人公の良心の象徴として、また同時に主人公を追い詰める探偵役としても描かれる隅より子を演じるのは、小林聡美

 個人的にこの人は、『すいか』ってドラマが印象的なんだけどね。

 木皿泉さんっていう、今をときめく脚本家がやってるドラマなんだけどね。(代表作、『野ブタ。をプロデュース』や『セクシーボイスアンドロボ』など)

 これでも、小林聡美は銀行員の役で、親友(紙の月は違うが)が銀行の金を横領し、最後は親友に「あんたも来る?」と逃亡生活に誘われる役だった。

 何だろ、やっぱり小林聡美さんは善のイメージが強いのかね。

 多分『マルサの女』をリメイクしたら、この人以上の適役はないんじゃなかろうか。

 ともかく、『桐島、部活やめるってよ』でもそうだったが、繊細で現代日本の閉塞した空気をブッ壊すような内容の深さ、それをまた見たいって人は、本当におすすめです。

 以上、蒼ノ下雷太郎でした。

 した!