蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

KADOKAWAががんばってるからこそ、カクヨムの僕らは昔の角川映画を見なければ

 閉塞感。

 価値、未来性、つまらない、つまらない、退屈、周りの人間がクズに見える。

 浅野いにおの漫画じゃあるまいが、どの時代にも行き場のない人々というものはいて。

 そのはけ口みたいなものとして芸術はあった。

 60年代には知的で金持ちや権力にこびずやろうとしたんだ、それでも若者特有の荒々しい気持ちはあったりして。

 個人的にはこの映画は古い映画であるが、今の時代にぴったりかもしれないと思う映画である。

 

白昼の死角【DVD】

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  角川映画といえば、ライムスター宇多丸さんが誕生するキッカケでもあり。

 町山さんも歓喜する、一時は日本映画業界を革命に成功し、支えていた――一つの会社が行った、流行といえばいいのか。

 アイドルを若者の集客にし、若手の映画監督や俳優を実験させ革新的な試みをさせ、その濃厚な原作の本も売る――文化系からすれば、天国のような芋づるみんな幸せになるシステムである。(残念ながらそれは、テレビの映画業界進出で消えたが)

 

 だが、昨今角川は何か――牙を研いでるような気がする。

 『あまちゃん』の小泉今日子いわく、【このままじゃ終われないから――!!】を彷彿させるような。

 日本を、このままくそつまらない波に終わらせられないから!!

 とでもいうように、角川ラッシュが続いている。

sk-movie.jp

 本予告で「これが、今の世の中なの――」と主人公がつぶやくが。

 それは、彼女だけじゃなく今の世の中を――スクリーンの外にいる者も共感する叫びではないのか。そう、感じさせる映画だ。「卒業」という文字が気になるが、僕らはこの気持ちを、「ガッチャマンクラウズ」でも「デスノート」でも「進撃の巨人」でも「コードギアス」でも語られた、くそつまらない現状があって、それをぶち壊したい衝動――この気持ちと、どう向き合えばいいのか。

 卒業しなきゃいけないのか?

 いや、予告から何を考えてるのか俺自身俺が心配だが、そう思わせる――。

 こう、何かをブッ壊してくれるんじゃないかと期待してしまう映画だ。

 

 他にも、もちろん期待したいのはガメラだ。

 

      
    「ガメラ」生誕50周年記念映像「GAMERA」SHORT VER.公開!!

 

 日本ではもう怪獣映画は無理だ。

 金がないよ、金が。

 ゴジラも何もかも、全てアメリカ様に任せてしまえばいいんだとぬかしていた豚を黙らせるような作品。

 我らが特撮ファンを歓喜狂喜鼓舞し、絶叫させる予告である! またしても予告に興奮しているが、高橋ヨシキさんもマッドマックスの予告をその年のベスト10に入れてたくらいだ! 予告も映画の一部なのである!

 この迫力! 怪獣! 期待しないで何を期待する!

 色々と試して散っていた魂も期待する! 四の五の言ってねーで、見るしかないんだよ!という予告である。

 

 そして、他にももちろん筆者も参加している「カクヨム」。

kakuyomu.jp

 ここまで、KADOKAWAラッシュが続いてる中ね。

 僕らはただ指をくわえて待ってるだけでいいのか。

 過去のKADOKAWA作品も見て、むしろ仁王立ちで「待っていたぞ、友よ!!」と北斗の拳のように待ちかまえてた方がいいんじゃないか!!

 

 今回は『白昼の死角』を取り上げたのはそれのためでもある。

 原作は高木彬光推理小説、実在にあった事件も参考にした――本格的な、ピカレスクロマン。

 まぁ、かなり曲解するとようは、悪役最高の映画である。(ムッ、と思う方もいるだろう)

 いや、何も現実にいたらいいってわけじゃない。現実にいたら俺も困る。参考にしていたりもするから、そこはめんどくさいことになるのだが。殺人鬼を絶賛するのとは一緒になりたくないのだが。

 しかし、悪役ってあまりにもぶっ飛んだのを見るとちょっとスカッ――とするんだよね。

 ようは、悪役って自由なんだ。

 『ダークナイト』のジョーカーしかり、その他の悪役もそうだと思うけど。

 ヒーローのように道徳、社会、大勢の人々に囚われることなく、彼らは自由である。何の鎖もなく、背景もない。完全に自由になれる。(あくまでフィクションの話)

(だからこそ、『スーサイドスクワット』って皮肉な話なんだよね。あれはあれで気になるが)

 この映画の主人公達も、東大法学部出だというのにそれはそれは身も凍るような悪事をしでかしていく。

 

 冒頭から仲間が焼身自殺するのもおもしろいが。

 その残された仲間は国税局と偽って実際にある会社を借りて詐欺事件を働き、一億円の手形を詐取する。

 警察も驚くケレン味さえきかした大胆でかつ知的な作戦だが。

 さらに、事件はこれだけじゃない。

 5000万を詐取したり、他の企業も騙し。

 ときには彼らにブチギレ、闇の住人が始末しに行くこともあったが返り討ちにし。

 さらには外国の大使館にいるクズと結託し、そこを利用した詐欺事件まで起こす。

 どんどん、時間が経てば経つほどケレン味もタカの外れ具合もエスカレートする映画なのである。

 いわば、みんな大好きな『紙の月』の男版(言い方おかしいが)のような映画なのである。

 これを興奮して見られないでどうする。

 

 ――と、ここまで興奮して語りはしたが、もちろん全てが悪役最高で終わる訳じゃない。

 騙された人達は罪悪感に囚われ中には切腹する者もいたし。

 妻は愛人への嫉妬から、流産したことに気が狂い、列車に投身自殺。

 主人公の犯罪も結託した奴が真性のクズで、何億という大金を渡したのにラスベガスで全部すり、またやろうぜとか言いやがる。しかも、捕まって全部ゲロってしまうすばらしさ。

 この、怒濤な勢いで金がだまし取られ、そしてやはりある偉人の言う通り【まずい飯屋と悪が栄えたためしはないんだな……】と思わされる映画であった。

 いや、最後にアッと驚くラストもあるんだけどね。

 ともかく、「ガッチャマンクラウズ」でも「デスノート」でも「進撃の巨人」でも「コードギアス」でもあった――閉塞感をぶち壊す何かが、この映画からは感じられた。

 

 kadokawaがどこまでするのかは定かではないが、またあの一世を風靡した角川映画がもどってくるのではないか。

 そう期待せずにはいられない。

 もう、こちらのケツナメしか考えないどこかで見たような作品はごめんだ!

 以上、蒼ノ下雷太郎でした。

 

(あ、今思うとこの映画、アイドルは出てこないね。ま、どーでもいいか!)