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蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

見る前は秒速五センチメートルで俺が死ぬんだろうなと思ってました(『君の名は。』 感想)

 「君の名は。」、人気ですね。

 

www.kiminona.com

 

 自分は学生の頃に新海監督を知りました。エロゲーのOPですね。

 エロゲーって、言っちゃ悪いけど低予算でアニメのOPでも珍しいのに(あるにはあったけど)、こんな綺麗で、すさまじいOPを作るなんて――というのがキッカケでした。

 いや、割と失礼な入り方だとは思いますが。

 で、衝動的に『雲のむこう、約束の場所』のBOXを買ったりしてね(ぉぉ

 で、『秒速5センチメートル』を見て、心が沈没するという(おぉ……

 

 

 正直、見る前まではこれも秒速五センチメートルで俺が死ぬんだろうなと思ってましたが、見ると大分印象が変わりましたね。

 あと、見る前はかなーりリア充向けといいますか、カップルや若い子達が見るようなものだと思っていましたが(具体的には言わない)。俺の右手には、大学生ぐらいの女性二人が座り、左手にはカップル(しかも女性の方が)座り、個人的には生まれてきてごめんなさい精神に陥り……これは、あれです。俺の記憶の中では、学生の頃に――当時はヴィジュアル系が好きだったので、あるヴィジュアル系のライブ行ったときを思い出しました。でっかい、さいたまスーパーアリーナの観客席で立って、みんな頭ぐいんぐいん動かす中、俺は絶句してるという……周りが女性だらけで、歌舞伎よろしく頭を回して髪を回して、シャンプーの香がプゥワッ~と……いや、一方向だけなら良いだろうけど、それが周り全体、いや、さいたまスーパーアリーナ全体で漂ってきたときは、扇風機のように全員が広げてるときは、本当に生まれてきてごめんなさい状態でしたが。

 落ち着け。

 ともかく、あきらかに場違いな雰囲気だったんですよ。見る前は。

 でも、いざ上映がはじまると、主人公はしょっぱなヒロインの胸をもむは(入れ替わってから)、クチかみ酒のシーンでは「これ、写真入りで売れないかな」と言うは、てか胸もむのは天どんで何回もするわ――っていうね。

 いざ上映すると、むしろ俺側のギャグが連発してて、(いや、何だ俺側って……)まぁ、これはこれで生まれてきてごめんなさい状態だったんだけど。いづらかったんですが。

 

 ようは、昔の状態を保ちつつ、何だかんだで一般向けしやすいように作られてるんだね。

 

 

 序盤の展開は、本当にうまい。

 所々、テレビシリーズのOPみたいなのは流れるが(これはこれで意味がある)。

 登場人物の入れ替わりが、交互に淡々と進むのではなく、いくらか時系列を省略しながら、一人一人の、主観で進む。

 ようするに、感情移入しやすいように進めるんだ。

 最初は、ヒロインから始まり――次は、男に移るっていう風に。

 (一人称の小説を読むような感じだね。 

  あるコラムでは、エロゲー的視点とも言っていたけれども。)

 

 

 ただでさえ、感情移入しやすい作りになってるのに。

 テンポはいいし。

 登場人物も、好印象な奴ばかり

 だから、自然とこいつら結ばれないかな……主人公達を思うようになる

 最後までノンストップとなる。

 展開も、良い意味で裏切ってね。最初にも行ったけど、秒速五センチメートルで俺が死ぬって作品と思ったんだけど――何と言うか、ジャンル自体が変わったんだね。

「ラブコメの作品だよな――え、途中から謎解きに?」

 ジャンル自体が変貌するような作品は、良い驚きは与えるけど、下手したら話が破綻してしまう恐れがあるが、これは上手くやっていたと思う。

 段々と主人公達を囲むように悲劇が追い詰めていき、もうこれは無理か――ってところで、ようはまぁ、奇跡のような解決がされるっていう。

 非常に、観客にとって精神衛生上よろしい作りになっている。

 話がこんだけ、良いってだけじゃなく。

 相変わらず絵はすさまじく綺麗だし、音もいい。(作画はジブリの人も参加してるんだっけ? 巫女が舞うとことかは、どういうこだわりか知らないが、CG以上によく動く絵だった)

 見終えたあとは、リア充向けとか、オタク向けとかどうでもよくて……「ああ、これなら爆発的大ヒットも変じゃないな」と素直な感想を抱いた。

 こりゃ、売れるよ。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

 当初は土日で「これなら、八十億円ぐらい売れるんじゃね?」と噂されてたけど。この調子だと、上映期間も延長されて、もっといくんだろうかね。

 この人気の理由は、色々言われてるけどさ。

 一般向けの層を大量に取り入れたから――ってのが、理由なんだろうけど。一般向けというか、言い方を変えると若い人達だ。若い人ってさ、カップルとか、友達連れで見ることが多いから、自然と動員数も増えるんだよね。

 何でここまでの人を集められたのか――まぁ、映像美は万人に分かりやすいすごさだからってのもあるし。ダヴィンチなどで、映画の小説版を載せてたりもしたから。あそこら辺の人達の目も浴びやすかったんじゃないかな――。

 

 いや、中には手放しで評価できないって人もいたんだがね。

 てか、批判的な意見。

 その中にはただ偏見で語る馬鹿な某映画評論家もいましたが。(いや、これはどうでもいいか)、その他には割と納得のいくとこがある意見も多数ありました。

 

 ・細かなとこが、雑

 

 話の設定とかね。

 多分、これで批判的になった人が多いんじゃなかろうか……。

 ここからは、大分ネタバレになるんで、これから見るって人はさけてください。

 

 例えば、タキが実はヒロインと数年前に会っていてリボンを受け取ったとことか……。

 知り合ってるなら、入れ替わったときに顔分からなかったのか。

(すぐに思い出せなくても、あとあと思い出すことってなかったのか)

 いや、これは記憶が消える云々で説明できるのか?

 

 他にも、『そこあに』で言われてたけど。

 スマートフォンの日記は、iCloud に保存されてないのか? とか。

 

 ヒロインの父親を最後はどう説得したかも描いてないし。

 

 てか、入れ替わりだって、時代が違うってのは街を歩いてるだけでも分からないものなのか……。などなど。

 

 他にも、批判的な意見としては、主人公とヒロインが結ばれる理由が分からない。

 あいつら、互いに好きになるとこあったか? ってのだ。

 誰が言ったかは、まぁ調べてくんさい。

 これは……俺は、そこまで思わなかった。

 ちゃんと、ヒロインが主人公を好きになる理由は描かれてた(ヒロインをけなす奴らにキレたり、とか)。あと、都会への憧れもあるだろうしね。それでいて、しょっちゅう、人格も良く、かっこいいイケメン男子になってたら……そりゃ……。

 いや、じゃあ、男が好きになった理由は何だと聞かれたら。

 あの思春期のJKの体に入れ替わって胸をもめば、そりゃ……。

 生まれてきてごめんなさい

 

 

 大体が、細かなとこが雑につながるんだけど。

 他にも、記憶が消える、について細かな説明も意味も描かれてないしね。

 何で、あれは起こったの?

 それを描いてないし、必然的理由もないから、ただ『君の名は。』と言わせたいための設定に思えて……。(多分、タイムパラドックスというか。時間を移動してるからってのが、あるのかもしれないけどさ……いや、よー分からん)

 

 いや、こういう細かいツッコミはあげればキリがないんだけどね。

 じゃあ、細かいツッコミを全て解決すればいいのか――というのも、また違うからね。

 それによって、作品の勢いが削られてしまう。

 そんなことも、よくある話だ。

 ドラッグでラリラリした滅裂な文章が文学と呼ばれたり、血が沸騰する勢いのアクション映画が傑作と言われるのも、そういう理屈だ。それに、感情移入しやすいようにできてるから、見てるとあんまり気にならないしね。

 

 個人的には、細かな不満があるだろうけど――でも、やっぱり傑作であることには変わりないと思う。

 『アイアムアヒーロー』から、今年の邦画は何かすごいと思い始め、でも内心は(いやいや、でも今回だけだろ?)と思っていたのが、警察が横領したり、V6がブチギレる映画が出たり、名探偵コナンがさりげに六十億ぐらい儲けて、さらにはあの偉大なる怪獣王が暴れ初めて、しまいには『君の名は。』だ。

 何かすごい――じゃなく、ただ、とてつもなく、すごい。

 今年の邦画は、いいぞぉ。

 やっぱり、これまで散々言われて鬱憤がたまってたんだろうね。

 日本をなめるな!

 という感じでね。

 

 もちろん、良い作品を作るには日本という箱だけじゃなく、箱の外にあるものも見なければならない――それこそ、『君の名は。』で散々語られてるような、目に見えないつながりを、ね。探さなきゃ、いけないとは思いますが。

 どの作品が、赤い糸でつながってるなんて。

 見なきゃ分からないからね。

 

 以上、蒼ノ下雷太郎でしたー。したー。