蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

『さよなら、Detritus』について語ります 2

 さよなら、Detritus

 http://ncode.syosetu.com/n3073ct/

 

 さて、語りのつづきです。

 いや、自分の小説の解説って何みっともないことしてんだよと思われるかも知れませんが。

 だって、仕方ないジャン!

 転生でもないし、俺TUEEEEEでもないし、ハーレムの欠片もないもん!

 ……まぁ、ようは流行の斜め横を行ってるような作品でして……。

 

 物語の時代は、今より大分時間が進んだ未来です。

 空間液晶という、天井にあるセンサーで部屋の一部に映像スクリーンを表示させるのが、ありふれてるような時代。(似たようなのは現実でもありますが……)

 主人公はドイツにいます。

 この時代は科学が発展しすぎて、宗教との対立が激化した時代です。

 あれですね、イギリスも産業革命の末にオカルトがわんさか流行りましたが。この作品のは、科学の発展により宗教で禁止されていたあらゆるものが発明されてしまったため、それの批判。さらに、ロボット技術も進んだことで単純作業の労働はロボットがした方が安全・確実になってしまったために、失業者増大、その失業者が怒りにまかせて、科学に怒りを向けた。

 いや、科学をといいますか。宗教原理主義になったといいますか。

 さらに、この時代はアジアやアフリカ諸国も経済発展したために、忌々しい有色人種が――という事態になり、矛先が向けられます。

 そう、この物語は西洋から宗教原理主義が大量に現れ、有色人種の諸国と対立してるような世界観です。

 

 さて、主人公はと言うと実はスパイです。

(といっても007ではないし、トム・クルーズでもない。昔の中野大学校のようなスパイ)

 形式上は、民間組織のスパイで。日本経済を影で支えるフィクサーと呼ばれる人物が創立者となっております。

 主人公はそこの命令によりドイツで働いております。

 

 何をするか?

 情報収集、情報操作、もしくは破壊工作。たまに暗殺。

 とはいっても自分の手を染めることはほとんどなく、大体は過激集団を操って同士討ちさせることがほとんどだそうです。

 何かどっかの国の公安がしてたことのようですね。

 主人公は部下から『もうやだよぉ』的な愚痴を受けますが、しかし、この仕事は必要だということを語ります。

 つらつらと、彼が死なせた奴らの非人道的行為を語り――そして、部下は何も言えなくなりました。

 本人も分かっているのです。ゴミクズのような仕事だと。

 ゴミクズのような奴が、ゴミクズのような行動で、同じゴミクズのような奴らを退治する。

 

 そんな主人公が唯一、心の拠り所としてるのが『芸術』です。

(さらにつきつめると、『小説』か)

 表向き働いてる会社に向かうとき出勤時も、サルトルの『嘔吐』を読んだり。部下の愚痴を聞いてたときは手元に『ゴドーを待ちながら』を置いてるような人ですよ。 もう何か、この選出だけでこの男が何を言いたいか分かりそうですが。

 

 これは俺の作品全体で共通することですが。

 登場人物を描く時に気をつけることがありまして。

 それは、他人から見たらどうでもいいことでも本人からしたら宝物である、ものを持ってる奴がいるということですね。

 さよなら、Detritusの主人公は、それが『芸術』だったのです。

 

 しかし、それが崩れ去ります――

 

 『さよなら、Detritus』について語ります 3につづく