結局、見ちゃいました。『ムカデ人間』。
三体を合体させるというやつで。
まず犬からスタートしたらしい、おじいちゃん。
で、次は人間でやっちゃったという。
(つなげるといっても、人の頭とおしりをつなげ、見た目ムカデのようなものにした)
ぶっちゃけこれ、水分は補給できないだろうし、先頭以外はクソ食べてるからね。比喩でも何でもなくて、そりゃ誰だって死ぬわと思うのだが、もう見た目のインパクトが強くてね。(それでも包帯とかでグロを抑えてはいたが)
グロさより汚さがくる映画で……ある意味、きつかったが。
しかし、おもしろかった。
見た目の怖さ。
生理的嫌さというより、みんなちょっとやってみたいという気持ち。
子供が昆虫を解体するような。
あんな、下劣な感情。
例えば、『仮面ライダーW』って特撮ヒーローいるけど。
左右にそれぞれ人格が入っていて、アシュラ男爵というか、ダイの大冒険のあいつというか。人が縦に真っ二つにされたような状態の別人が、くっついてるような形なんだね。
どんなヒーローやねんっていう形だが。
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(こんな感じ)
こいつがまた、敵から縦に半分っこにしたいと言われたり。実際、模型ではそれができたり――いや、またグロいことになるが。
あとは、やはり京極夏彦先生の『魍魎の函』とかね。
くわしく言うけど、ネタバレになるんでさけるけど。
何度も、箱を見ないかとさそわれるんだね。
その箱がどういうものなのか。
――彼女?
一体何を言ってるのか。
興味をあおるような文でさそってきて。
最後に真相が明かされるんだけど、そんなものがどうやって箱に? と思わせるもので。関口くんじゃなくても、悪趣味ではあるが、見たくなる作品だ。
そこがまた、怖いんだね。
内容自体はひどいんだけど、見たくなってしまう感覚。
ムカデ人間は、その極地のものでね。
他にも、洋物ホラーって物理的に追いつめられることが多いんだよね。
そこのとこが勉強になった。
ニコニコでは、実際にムカデ人間に出演していた日本人俳優、北村さんがコメンテーターとして参加したんだが。
そこでも『ホラーの監督って、どんだけサディストかで決まる』だっけか。というようなことを言っていた。
そう、ホントにサディストなのだ。
自分は女性。でも相手はおじいちゃんだから武器を持てば戦えると思って電灯ランプを持ったら、相手は銃剣を持ってたり。
プールに逃げ込んで、相手が麻酔銃をかまえれば、潜って――でも息が続かなくて出てきちゃって、で撃つかと思えば撃たなくて。プールの蓋(勝手にしめてくれるやつ)を閉めて、女性を閉じ込めちゃってね。お前どんだけだよ!っていう。
(日本は精神的に追い詰めるのがすごいのだが)
最後も「おぉぉぉっ……」と思わせるもので。(いや、途中強引じゃないかと思うシーンはあったけど)
ほんと、あとあじ最悪ってラストだったんだが。
そのおかげもあって大ヒットとなった。
ホラーってやっぱ、あとあじが悪いからこそ最後にドンッと来るんだよね。(来なくてもいい作品はあるけどさ)
しかし、これを見て改めてホラー映画ってのは命に関わる危険や、世間から逸脱した狂気が出るからこそ、本質がありありと見える。隠そうとするものが何もないんだね。
だから、博士のゴミクズさも出てたし。
三人の誰かを助けようという意志も出ていて。
やはり、ホラーは本質ってのを出してくれるなぁと。
いや、映画自体はクソな(文字通り)のが多いんですが(苦笑
人間とは何かまで考えさせてくれる――いや、無茶あるか。ともかく、いい映画でした。
一回、視聴をおすすめします。蒼ノ下雷太郎でしたぁ。