今やっているバイトは、会社から電話で「あっち行ってくれ」「こっち行ってくれ」と言われる仕事で、その行き先の現場で仕事をするものだ。どれもこれも遠かったり、分かりにくい場所だったりで大変なのだが。それよりも大変なのは、急な予定変更だ。当日に現場で仕事がなくなって「あ、仕事なくなったから中止」と言われることもあるし。違う現場に行かされることもある。
とくに、雪の降る季節や台風の時期は大変だ。
朝方、現場に向かう間、雪が降り積もって歩くのさえ苦しくてね――現場について電話を入れたら「そこは中止。違うとこに行って」と言われ、仕方なく歩いて向かおうとしたら、「また中止」となって、その日の仕事自体が中止になる始末。
喜劇は最悪の結末だ。
ときには、電車で向かっている最中に電話で「あ、現場変わったから」と言われ、現場に向かったこともある。(反対方向じゃねぇか!)思ったりもしたが。
文句の一つも言いたいが。
言ったら近くの現場に行かせてもらえないし、下手したら仕事自体もらえないかもしれない。内容自体は悪くないバイトだから……長くやってるが。
いや、良い面もあるバイトなんだけどさ。
イラッとくるとこも、やっぱあるんだよね。こき使うなぁ~って。(いや、他の仕事もそうだろうけど)
ドキュメンタリー映画で、ライムスターの宇多丸さんの紹介で知ったものがあるが。
DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
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AKBのドキュメンタリーである。
……いや、何人かこれを見て「はぁ~」とため息をついた気がするが。
ため息ついた奴、ちょっと表に出ろ! 大気圏に出ろ! ほんと、すごい映画なんだぞ、これ!
これの映画で最初にはじまるのは、東日本大震災の復興支援で被災地を訪問するとこだ。
ほんと、しょっぱなからすごいが。ここで、AKBのすごさが改めて分かるんだね。
被災地の子供達に大人気だったんだが、あの中には家をなくしたり、家族をなくした子もいるんだと思う。壮絶な目に合った子だって一人や二人じゃないと思うんだよ。
だけど、AKBの人達を目にすると途端に笑顔になってね。
ケータイでパシャパシャッで。握手してよろこんでね。
そんな光景見たら、AKBの人も号泣しちゃうよ。ガチャピンも号泣してて、感情移入して俺も泣いて。
仮面ライダーOOOって作品があるが、あれのアンクという役をやった三浦涼介がライオンのごきげんようだっけか。あれに出たとき、小っちゃな女の子が「アンクが死んじゃう~!!」って言って泣きながらライダーに出てくる商品のメダルを渡したらしいんだよね。アンクって役は強情でそこら辺の不良より数倍タチの悪い奴なんだけど、もうそのとき号泣したらしくてね。で、その話を聞いた俺も号泣したんだけど。
やっぱ、純粋無垢なものに「がんばってー」とか言われると、涙腺崩壊するんだろうね。
だから、特撮に出てた役者がそういう体験談を聞く度に、俺は号泣するんだけど。
AKBの人もそういう気持ちだったんだと思う。
これを見て……ほとんどの人がAKBすごいじゃん……アイドルすごいじゃんって思ったんだよ。……その映像のあとに、総選挙のシーンやって、視聴者を突き落とすんだけどね!
さっきまで子供達の尊敬の対象だったアイドルが、切って、捨てられる!
選ばれる!
選ばれるってことは、それ以外は選ばれなかったってことだ。
選ばれた人は大喜びするが、選ばれなかった人はホントつらいシーンでね……。
そのあとも、ライブのシーンで、あるライブがうまく運営できてなかったらしくスケジュールもめちゃくちゃで、アイドルもしんどくて、前田敦子なんて過呼吸になっちゃってね。ホント、見ているだけでこっちも辛くなるんだけど。前田敦子もやられて、他の子もしんどくなって、大島優子も限界に来て……でも、それでもがんばるんだよね。
ライブのそのごも、見事成功してね。
前田敦子なんて、途中まで息をするのも辛そうだったのにちゃんと歌って。
マジ、こいつらすげぇ……って思わされたが。
それ以上に思ったのは、ホント、上から命令を受けてあちこち振り回されて大変って感覚だった。AKBはとくに、急遽伝えられることが多いからね。ユニット結成云々とか。そうやって、困難を与えることで少女達の成長を映し出そうとしてるんだろうけど……。
シネマハスラーのとき、ライムスター宇多丸さんは軍隊に通じるモノがあると言っていた。
この前、ある偉人さんのおすすめで『スターリングラード』という映画を見たが、これもすごい映画だった。
戦場に行くまでに、わっさわっさと、貨物車両で運ばれるんだけど。
運ばれて、さらにその先に河があるんだね。でっかい河が。
で、それをでっかいボートにぎゅうぎゅう詰めになって進むんだけど。
その間に戦闘機で殺されちゃったりしてね。
中には爆破されたり。
で、怯えて逃げ出そうとする兵士もいたんだけど。その脱走兵を「殺せ!」と言って撃ち殺しちゃったりしてね。
で、河についたらついたで、二人に一人しか銃を与えず。主人公は全然銃を得られなくて。
向かった先では、ドイツ兵は戦車まで用意して準備万端で。
大量に人が死んで。
で、また脱走兵が出るんだけど、うしろから機関銃で味方を殺してね。
やる相手が違うだろ! って思うんだけど……。
戦場はとくに、容赦のない仕事場である。
どいつもこいつも命がかかってるから、要求することはどれもひどいもの。
中には、戦場にいないくせに無理難題を押し付ける奴もいる。
小説みたいに飛行機から下りてヒトラーを殺せ、とか言い出すんじゃないかと思うぐらいだ。
しかも戦争が終わったら終わったで、ボロボロになった兵士を見捨てることも多いし。
アメリカ映画でも、その兵士達を撮影した映画は多いのだが。
今回話したいのはそういう映画ではなく、小説だ。
(てか、枕ながすぎた)
ガンパレードマーチである。
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この前、久々に見ておもしろかった。
ガンパレードマーチは、原作はゲームである。
プレステが全盛期――だったころか? ちょっと覚えてないが。
あの頃はゲーム機の可能性が無限大だった時代でね。
昔の世代が映画に無限の可能性を感じたように、俺達はゲーム機にそれを感じていた。
プレステはとくに作品が多かったから異色作も多くてね。
その中でも、ガンパレートマーチは異色中の異色だ。
内容は、言ってしまえば『スターシップ・トゥルーパーズ』のゲーム版。
原作は、『宇宙の戦士』っていう小説のやつだね。
あれが元ネタといえる。
この『宇宙の戦士』はガンダムのMS(モビルスーツ)の原型でもあるらしく。日本のオタクカルチャーにも深く影響されている。
最近では、『進撃の巨人』が『マブラブオルタネイティブ』の影響を受けていることは有名な話だが。
そのマブラブもスターシップ・トゥルーパーズの影響を受けてるのは間違いない。
どちらも地球外生命体に襲われる話で、それに対し、『人類』という大きなくくりで登場人物達が協力し、戦う。
ガンパレードマーチも、言ってしまえばそうだ。
『幻獣』という謎の生命体に突如襲われ、人類は共同戦線を組むしかなくなるんだけど、ほとんどの国がなくなっちゃってね。
日本はその中で数少ない生存国なんだけど、それでもほとんどの地方を失って。
主人公はその数少ない生存している熊本(だっけか)にある学校に通うことになるんだけど……。
ゲームの目的は、あくまで生き残ること。
勝つのもそりゃ大切だけど、でもそれよりも大事なのは生き残ることで、それさえ守ってりゃ何をしてもいいんだよね。
そう、これはロボットゲームというだけあって、ロボットが出てくるんだが。
ぶっちゃけると、ロボットに乗らなくてもいい。
そりゃ、乗ってパイロットになれば幻獣とも戦えて、強いけどさ。なる必要はない。
そう、やたらと自由度が高いんだ。
生き残れれば、それこそ最後の日までデートに明け暮れても良いし。
気に入らない奴を死線に送り込んで殺してもいいし。
もしくは整備になって裏方に回っても言い。指揮官にだってなれる。もちろん、ロボットのパイロットにだってなれる。ホント、何でもし放題なんだよ。
そう。
スターシップトゥルーパーズ+学園ゲーム、という組み合わせなんだね。
(ちなみに、これのゲーム日記がきっかけで桜坂洋先生の『All You Need Is Kill』を書くキッカケになったらしい。のちにハリウッド映画にもなった『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の原作小説だ)
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……と、ほんと話がわき道にそれまくりだが。
いや、それほど周りに影響を与えた作品なんだ。
で、そんな自由度の高いゲームの小説なんだが、小説はどうかというと。
ゲームの先の話まで描いてるんだね。
ゲームの方は、敵である『幻獣』と決着をつけてはいないんだ。
(一応、隠しボスらしいのはいるんだけど)
全滅はしていない。
あくまで、ある一定の期間生き残るだけ。そこから先は描かれてない。
でも、この小説は描いてるんだ。
その続きは、幻獣に圧倒されて九州から撤退するしかなく。
本土決戦の果て、どうにかまた九州を奪還することになって――でも、幻獣の方も人間のような姿をした幻獣『カーミラ』の出現により、よりタチが悪くなる。
これまで知性があったか怪しい奴らだったのが、明確な作戦を立てる奴が現れたんだね。
ま、でも、どうにかカーミラと密会をして、クーデター起こすのを手伝い、のちに和平条約を結ぶ。
その後も、北海道の独立やら、アメリカに行かされるわで、てんてこまい。
主人公達……というか、ゲームでも小説でも中心となる部隊、5121小隊は全部の戦場で大活躍するんだね。
アメリカではいくつもの勢力と戦うことになって、ほんとパネェと……てか、これラノベじゃねぇよ! って思うくらい濃厚でね。(じゃあ、ラノベって何だと言われたら困るが)
で、2K 未来へ は、アメリカでの仕事も終えて。
日本に再び帰ってきた話だ。
アメリカの上層部だっけか。そこに幻獣側の者がいて、そのためそいつを倒すために政権を奪うまでしちゃってね。かなり際どいことしちゃうんだ。
アメリカでやったことは全て内密。
だから日本の人はみんな何をしたのか全く知らなくて、部隊の一人はしょんぼりしちゃうんだけどね。
ま、そこまでした部隊だから、忌み嫌われるのは当然。
下手をすれば、自分らも利害が一致しなければやられてしまうのでは? とか考えたんじゃないか。他にワシントン政府にケンカを売りやがって――と怒ってるのもあったろうが。
政府は、奪還したばっかの九州への転属を命令するんだね。
はじめ、5121小隊の面々は久々の本拠地で大喜びするんだけど。
熊本は死体の山でね。
骸骨、骸骨、骸骨。
仕方なく、骸骨を拾って、誰の骨か調べ上げて、キレイにしようとするんだけど――幻獣共生派。幻獣に魂を売った奴らで、人間なのに人類側を攻撃する奴らなんだよね。そいつらに襲われちゃって――
さらに政府には、「骸骨をキレイにする必要ないから、ショベルでガァッーてやるように集めろ」と言われるし。
しかも、共生派も一枚岩じゃないらしく。
ある共生派と共生派が争う光景も見ちゃってね。また新たな戦いが行われそうなんだけど……。
この小説のすごいとこって、内容の濃厚さもあるけど。
登場人物の多さも、すごいんだよね。
原作ゲームだからそうだってのもあるが。
メインとなる5121小隊の面々だけで、22人!(数えた)
生徒だけでこれだ。
ゲームだとさらに教師もいるし、さらに小説だと教師は全然でないが、それ以外の軍のメンバーや、他の学校の学兵も出てくる。
さらにカーミラなど敵のキャラ。
その他に共生派や、アメリカにいる人々など――何なんだ、お前等! というくらい出るんだが。
そんだけ人が多ければ、思想の違いも明確に出てきて。
大きな区分けは、5121小隊だと『戦闘班』と『整備班』なんだよね。
もしくは、戦闘員と非戦闘員でもいいけど。
それが具体的にあらわれたのは、九州撤退戦か?(ちょいと忘れたが)
撤退する仲間の部隊がいくつも取り残されていた状況――助けに行くのが、ヒーローというものだけど。整備班はこれに反対するんだね。理由は単純明快、死にたくない! からだ。戦闘班は「何言ってんだ、てめぇ」とキレるし。中には両方感情的になりすぎだと逆ギレみたいな奴も出るし、両方の気持ちも分かるから黙る奴もいて、多種多様な感情がうずまくんだね。
これは、NHKドラマの『あまちゃん』もそうだったけどさ。
今だと、『ガッチャマンクラウズインサイト』もそうだ。
別にこれは悪い事じゃない。
人はそれぞれ個性がある。違いがある。違うからこそ、人が多くなったら違いが露骨に出るのは当たり前なんだよね。
森って女子生徒は整備班なんだけど、彼氏の滝川が戦闘班でパイロットだから彼氏の心配もあるし、あと死にたくないしで泣き叫ぶし。整備の主任である原さんもいっぱいいっぱいで。
だからこそ面白い――そんな思想の違いがあれど、彼らはいざってときは一気団結して戦うんだね。
そう、『進撃の巨人』にも通じることだよ。
どう考えても絶望的な状況なんだけど、仲間と乗りきる。
小説は、一体、共生派同士で行われる戦いは何なのか?
何が起ころうとしてるのか?
まだ一章だから謎はありすぎるんだけど、期待大ってことでね。次の巻も楽しみなんだが。
……ふぅ、また長文を書いてしまった。
オチ……オチはないな。やまなし、おちなし、いみなし、の801部隊ってことでね。
俺は一人、801くんになって男の友情ものでも見てムハッムハッ!でもしてますよ……つ、つかれた……。