最近、ツイートを見てると『ガッチャマンクラウズインサイト』を語る人がチラホラいる。
いや、クラウズは面白いからね。
最初見ると、HPなどはポップでかわいらしく、魅了されても恐怖に感じる事なんてありえない、と思うかもしれない。でも、最低でも七話か八話まで見ると分かるけど、あれガッチャマンの名を借りたホラーアニメだよねw いや、これは言い過ぎかもしれないけど。やってることは、めちゃくちゃ恐ろしい。一種のドキュメンタリーを見てるような感覚である。(フェイクドキュメンタリーに近いか)
映画秘宝九月号で、斎藤工さんが私的に“ホラーとは”と語っているが。
フェイクと思って
気楽に向き合ったモノが
徐々に自分の日常とコネクトしだし
現実に変動していく
そんな“後味”がポイントだと思う
(2015.9月 映画秘宝 斎藤工『映画じかけのオレンチ』から引用)
これだよね。
最初はアニメだと思っていたものが、
徐々に自分の日常(政治ニュースや会話の内容)とつながりだし
現実になっていく
10話まで見ている人はこれアニメじゃなく現実だよ! という人も多いだろう。
しかもそれが日本の負の部分を描き出し、そこから政治や過去に起こしたことにまでつながっていくから――どうしても、このアニメから現在の政治の話につなげようとする人は多くなる。気持ちは分かる。そう、このアニメ自体が政治的話題をしたくなっちゃう作りになっているんだよね。だから、ツイッターでは現実の政治といっしょに語る人が多いんだけど……個人的には、それは危ういと思う。
いや、完全悪と決めつけちゃいけないけどさ。
んぅー……。
何かにつられて、何かをする。
これって、どこかで見たことない?
どう語ろうか悩んでるけど。
問題にならないよう、ならないように――んぅ、小心者だな。まぁいい。
ファンの反応そのものが作品の本質をあらわす構図になってるってのは、過去にもあった。
例えば、『ひぐらしのなく頃に』だ。
ひぐらしのなく頃に ?鬼隠し、綿流し、祟殺し、暇潰し編?[同人PCソフト]
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有名な作品なので、説明は不要……いや分からないか。
十代の人は知らない人もいるかもしれない。
一応、軽い説明を。
これは、同人ゲームでありながら爆発的ヒットを生みだした作品で、メディアミックスは漫画化、アニメ化、映画化もされて――ゲームも家庭用ゲーム機で何度もリメイクされ、売上は原作ゲームシリーズ(だけでも)六十万枚はあると言われている。超怪物ゲームである。
で、内容が疑心暗鬼をあおるゲームでね。
最初は仲の良かった友達が豹変して、誰も信用できなくなる話が多く。
一応ジャンルはミステリーとされているけど、話の内容が余計に謎を深くさせて、初期は正解率1%と言われていたんだ。もう、どいつもこいつも信用できねーよって事態になってね。
そこまで煽られると人はどうしても自分で解き明かしたくなるものだ。ネット上のあらゆるサイトで考察が行われ、推理合戦がはじまったんだ。
ゲームの細かなとこまで分析して、推理する者もいれば。
宇宙人が! と、とんでも説を出す者もいた。
まるで、このゲームの内容そのものを表すような構図になっていったんだ。
そう、誰の言ってることが正しいのか分からない――疑心暗鬼を煽るような構図。
(まぁ、皮肉にもラストは賛否両論あることになってしまったが)
ガッチャマンクラウズインサイトを見てると、ひぐらしを思い出してしょうがない。
前々からクラウズ論壇はいたけども。
今回で余計に火がついてね。
時期も時期だからってのもあるけど。
(個人的には俺はどこかの政党、政治思想に偏りたくない人間なので、どっちに対しても微妙な顔をするし、それ分かると言ったりするんだが)
確かに、今回のクラウズを見てると。
政治を語りたくなる気持ちも分かる。
というか、別にそれを完全悪と決めつけるわけじゃないよ。
ただ、危ういのだけは分かって欲しい。
何かに突き動かされて何かをする――それが、どれだけ危ういか。
何よりもクラウズを見た人なら分かることじゃないか。
それこそ『狼よさらば』みたいになったら笑えない話である。犬も食わないし、狼も食わない話である。そうなる前に、一旦立ち止まろう。もしくは、誰かに聞いてみよう。
ということで、ちょっとだけ真面目になった蒼ノ下雷太郎でした。
ではでは~。