『7start』のため。(もしかしたら、作品名変わるかもしれないけど)
細部に神が宿るために、今、資料を読みあさっている。
公開!フィリピン武術の全貌 【DVD付】 (BUDO-RA BOOKS)
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(大体、こういうのあさってる)
この前、ゲンロンカフェのSFのに行ったとき。
東浩紀さんが、SFとは、という質問に対し。
火星の気圧が~という話をして、普通ならたった一行で済ませてしまうかもしれないことを、あれこれ調べてさらに頭の中で考えた結果、ここがこうでこうなって、と何行にもなって、一ページ以上埋まってしまう~というようなことを言っていた(気がする)。
このとき、自分の中で少しはSFというジャンルが何か、見えた気がした。
多分、プロジェクトXだったら、『ここで~雷太郎は目覚めた』と言うだろう。下手したら、主題歌が流れるかもしれない。嫌だ。
それは、偶然にも翌週見に行った『クリムゾンピーク』でも確認できた。
細部が本当に見事で、いや逆をいえばそれしかない気もするけど、ともかく細かなつくりがすごく、現実感が圧倒的でね。
あ、本当にここに住んでいる人がいるんだ、暮らしてるんだと、セットを見て思ってしまうんだよ。
多分、SFってこういう細部の極地なんじゃないか。現実にはありえないことを、事実や空想、論理をひねるにひねり、ありとあらゆる手段を使って現実と小説のはざまを限りなく0に近づける。それがSFなんじゃないかと思う……ような気がする。
いや、何ものでもない俺が言っても説得力なんてないけどさ。
さっきまで、『あしたのジョーに憧れて』ってマンガも読んでたけどね。
あしたのジョーに憧れて(2) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
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あの、ちばてつや先生のアシスタントをやっていた(のちに『Dreams』を描く)川三番地先生の作品でね、当時の作業風景をこれまたこと細かに描いているんだけど。
ともかく、情熱がすごくてね。
一枚、一枚――いや、一コマの細部に至るまで、これでもか、これでもかと調べたり、観察して、現実にあるかのように描くんだ。そのために、やらなきゃいけないこと。日々の努力。それらが、その教え通りに細かく描かれていてね。
細かい――って、地味な作業に思えるかもしれない。
ヤンキーだったらカマくせぇと言うかもしれない。だが、そういう努力があるからこそ、圧倒的なリアリティが生み出されるわけでね。カマ、なめんなボケ! ということに――いや、何言ってるんだ俺。言いたいのは、そういうことじゃなくてね。
他にも、ライトノベルでいうと。
『ロケットガールシリーズ』というのがあってね。
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野尻抱介さんの作品。
星雲賞を何度も受賞してる人で、実はライトノベルも結構書いている。
ライトノベルというと、軽妙な文体、読みやすい地の文――といえば良く聞こえるが、悪く言えば、スカスカの地の文に中身入ってるのかというくらい人間味のないキャラクター――と思われてるんじゃなかろうか。
多分、偏見持った馬鹿はそう思ってるんだろうけど。
少なくても、野尻抱介さんのは違う。(いや、他にも違う人はたくさんいるわけだが)
女子高生が宇宙飛行士になるっていう、突拍子もない話なんだけど、それを少しでもリアリティ持たせるために徹底した設定、描写でね。
それは作中の登場人物のセリフからも分かる。その人物というか少女は、ある事件をきっかけに、金魚を助けることになるんだけど。
まぁ、科学史においては重要な実験をしていた金魚だったらしく、だからあとあと学園の校長に呼び出されたときも、それを熱心に話すんだ。だが、校長はそんなのはどうでもいいって言ってね。もう、俺ここでブチギレ&号泣しちゃったんだけど。もちろん、その少女もブチギレたんだけど。
他人から見たら狂気の沙汰だとか何言われるか分かったもんじゃないけどさ。
でも、当人にとってみればそれこそ全てを賭けてるってもんはあるんだよ。
それを自分とは縁のない世界だからって、『分からない』で済ますのなんてね、ほんとこの野郎と思う次第です。
世の中には、中世ヨーロッパ風の一言で描写を済ませようとする小説もあるけどさ。
あと、『あしたのジョーに憧れて』の感想で。
今時の若者に読んでほしいけど、今時の若者は読まないんだろうな~ってのがあったけどさ。
読んでるよ!
そして、俺もこんな人達のようになりたいって思ってるよ!
そう思って死にものぐるいだっての!
という日々であります。
だから、まぁ、がんばるのであります。はい。
以上、蒼ノ下雷太郎でした。