最近、漫画というとシーモアで無料公開されてるのを読むくらいだったのだが。
どうしても読みたい漫画があって、レンタルで借りた。
その読みたい漫画というのは――噂の、『ゴールデンカムイ』である。
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 野田サトル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/19
- メディア: Kindle版
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出てくるうんちくや知識の量がすさまじく、しかもそれを衒学的に語るのではなく。
生き残るために、やる。
そのための知識。
戦闘で使ったり、食べるために、寒さで死にそうなとき――などで語るから、何のてらいもなく受け入れられるんだね。
そして、ウィークエンドシャッフルでもお馴染みのフード理論よろしく、料理シーンも大量でね。
『恋するソマリア』で、違う文化圏にこの筆者が行くとき、注目するのは。
言語・料理・音楽、だとか。
そう、生きて行くために必要だからこそ、これがちゃんと描かれると作品にリアリティーや、登場人物に厚みも増すんだよね。あぁ、紙の上にじゃなく本当に生きてんだなぁ……と思うようなリアリティ。
他に借りたのは『雪花の虎』や『プリンセスメゾン』など。
雪花は、上杉謙信が女だったら――を、東村アキコが描いた作品。
最初、長々と学者っぽい説明されたらどうしようと思ったら、流石は我らが東村アキコ。上段と下段に分けて、上段では真面目に解説、下段はフルーツジュース作るなど自由奔放、「あ、えーと、何か! あるんだよ!」と、上で滔々と語られることを要約してくれる。
これだけでも読む価値があると思うが、何より上杉謙信の造形である。
一巻はただひたすら子ども時代が描かれるが、当時の謙信の家というのは――ぶっちゃけ、普通の人の家より狭く小さい。(ぶっちゃけ、ドラマで描かれる戦国の城って極端に脚色されることが多い)
だからこそ、より昔の人達がどう暮らしていたのか明確に描かれててね。
もちろん、作者は東村アキコだからはっちゃけるとこははっちゃけて、ちゃんと己の真価を忘れないんだけど。だからこそ、胸を迫るようなシーンは余計に胸にきてね……。
作者は以前の作品で、宝塚が好きって言ってたし、良い題材だと思う。
今後――とくに、戦闘はどうなるか不安だが続きが気になる次第です。
で、『プリンセスメゾン』。
貴族と平民の差のように、高い家に住む人と、住めない人が描かれたり。
絵がどこか童話的でありながらも、まざまざと現実を見せられる漫画。
だからこそ、ここに少しでも救いのシーンがあると泣けてきて……これも、いい漫画だった。
やっぱり、日本の漫画はすごい。
いや、マンガ夜話ふうに言うなら、正確には日本の雑誌文化がすごいのだろうか。
マンガ雑誌がなかったら、ここまではならなかったもんなぁ……感慨深い。
小説はどうなるかねぇ……。
ともかく、以上蒼ノ下雷太郎でした。