蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

溢れる母性が止まらない(『チャッピー』感想)

 そういえば、『チャッピー』がもう旧作の料金で借りられるなと。

 数時間前の俺は一発ブン殴ってやりたいことを言っておりました。

 馬鹿が!

 旧作とか新作という問題じゃない、映画館で見たか見てないかの違いだこれは。

 ……残念ながら、その真実に気付けたのは俺がこの映画を見終わってからだったのだ。

  『チャッピー』。

 監督は、『第9地区』や『エリジウム』のニール・ブロムカンプ

 念のために言っておくが、この人はだ。

 しかも、表紙から分かるとおり押井守など日本アニメの影響を色濃く受けていて、オタク。重度のオタクである。

 しかし、どういうわけかこの映画は溢れんばかりの母性が出てくる映画だ。

 見る者全員の母性愛を目覚めさせる映画だ。

 監督は世界中の男児を母性愛に目覚めさせようと企んでいるのだろうか。理由は分からない。しかし、ここに母性愛に目覚めてしまったワナビがいるので、可能性はあると思う。そう、可能性は誰にも奪えないのだ。

 自分でも何言ってるか分からない。

 

 あらすじ、は。

 南アフリカ共和国に、治安維持のためにロボット警察を導入。

 それは、ロボコップや昔の特撮のようなサイボーグではなく、ロボットであった。

 一からAIやら、チタンの体でできた機械仕掛けの人形。

 しかし、そのロボットを作った開発者は、ロボット警察だけじゃ満足できなかった。

 このロボットは細かい動作や認識システムはあるらしいが、それでも完全な人間とはほど遠いらしい。

 だから、彼が目指したのは本当の人間のような――完璧な人工知能である。

 彼はその人工知能を社長に受け入れてもらえず、仕方なく廃棄処分されそうだった機体を使って実験しようとするのだが――運悪く彼は悪党達に拉致られてしまい、その完璧な人工知能入りのロボットが、悪党達に渡ってしまうという――話だ。

 

 

 動いた途端、子供のように物陰に隠れ、大声を上げると怯え。

 おいでおいで、と優しく言うと徐々に近づいてくるロボット。

 そして、このロボットには名前が与えられ『チャッピー』となる。

 この映画を1%でも見たいと思ったあなた、予告しよう。『チャッピー』はかわいい。

 やばい、かわいいのである。

 そのかわいさに、『強奪するにはロボットをパクればよくない? 開発者襲っちゃおうよ』とぬかしてた女悪党はたちまち虜になってしまい、母性に目覚める。仕方ない。俺だって目覚めるくらいだ

 そんなかわいい奴が出るのだから、見てる方は『チャッピー! チャッピィィィッッ!!』と大騒ぎするのだが、だが残念かな。かわいい子がかわいいことする作品はあるが、この映画はそういう類ではない。むしろ、かわいい子がひどい目に合うのを見せる世にも残酷な映画だ。

 

 チャッピーは、火炎ビンをぶつけたられたり、左腕を切断されたり、CPU抜き取られたり、ありとあらゆる責め苦を味わい。その度に俺の中に秘められた母性愛が怒号をはなち、何度も進撃の巨人化――したのだが。

 くっ、次元の壁は越えられなかった。何で俺は液晶の中に入れないのだろう。

 ともかく、母性愛に目覚めたい人にはおすすめです。

 え、男だから関係ない?

 男だから見るんだよ!

 これを見て、全ての人間がチャッピーにひれ伏せばいいんだ!

 

 以上、蒼ノ下雷太郎でした。