蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

I’ll(7start 2.0 番外編)  第一五話「探索」

 はじめに

 *スマホだと一部表記が乱れる可能性があります。

 

  カクヨムに投稿している「7start 2.0」の番外編です。

 

 これまでのまとめ。

I’ll まとめ (7start 2.0 番外編)

 

 前回の話。

第十四話 「墓場」

 

 本編

 I’ll 第一五話「探索」

 

 041

 

 リスはクジラの代わりにリーダーになるってことで、二狗さんのとこに行った。
 で、クールな印象の子……クジラの妹、アリカちゃんは何処か、一人でフラフラーと離れた。
 随分と、おねえさんとは性格が違うようだ。

「あの子、自由人だからね。仕方ないよ」

 

                (interface_guide)
             女の子を「ちゃん」付けですか。
               気持ち悪いですねぇ。
                (/interface_guide)

 

 うるさいよ。
 別にいいだろ、現実では言ってないし。
 というか、三人称でいちいち。

「アイルちゃんって、たまにポツンと心が置いてけぼりになるよねぇ」
「え、あっ――」
 と、僕は現実に連れ戻される。
 リスとアリカちゃんがいない今、僕はシャケと二人で行動していた。

 

               (interface_guide)
             シャケには、なしですか。
           恥ずかしくなってやめたくなったが
       アリカと呼ぶとガイドに言われるがままって気がして
    むかつくから、シャケは呼び捨てにした――っていう理由ですかね。
               (/interface_guide)

 

 僕で推理するな。
「もう、ぼぉーとしてたらぶつかるよ?」
「え、あ、ごめん――!?」
 シャケは僕の右手をとって引き寄せる。
 ――う、うでに――む、むむむ、ねの感触が伝わる。

 

               (interface_guide)
                 ………。
               (/interface_guide)

 

 わざわざ、無言の文字を見せなくてもいいだろ!
 うるさいよ!
 僕なりに予想外で緊急事態なんだよ!


「て、てててか、今どこに向かってるの?」


 僕はシャケにある場所へと案内してもらっていた。せっかくだし、あそこに行こうよと言われたのだ。
 で、未だにその『あそこ』が何処か教えてもらってないけど。


「え、お風呂だよ?」


 三番街は新鮮な水が豊富で。
 そのため、お風呂などの設備も整っているんだとか。
 お湯を沸かす場合は時間制で、チームが限られた時間をスケジュール通りに入って行く――のだが、僕はけが人だし、さっきまでずっと寝ていたから、と頼みに行くそうだ。


「ま、ついででシャケちゃんもお風呂は入れて万々歳なんだけどね」
「………」


 僕は逃げようとした。
 シャケの腕が――お、おっぱいが、僕を逃がさない。

 

                (interface_guide)
             いや、逃げなんてしなくても。
           というか、色々とテンパってますね。
                (/interface_guide)

 

 だったら、助けてよ!
 逆にこわいよ、何でこんな――あ、シャケが離さない! 離してくれない!
 意外と力あるよ。ああああああああああっ――

 

 042

 

「………」
「ふいー、すっきりしたね」


 お風呂上がり、シャケと僕。
 彼女は長いピンクのもさもさした髪を、バスタオルでふく。
 僕も三つ編みをほどいた長い髪をバスタオルでふいている。
 ふきながら、校舎の廊下を歩いていた。服は同じだが湯上がりで汚れは一掃され、肌もつやつや、血の気もよくなった。

 

                (interface_guide)
                  えっち。
                (/interface_guide)

 

 うるさいよ!
 仕方なかったろ、僕のせいじゃないだろ。
 僕は逃げたぞ! ちゃんと逃げたぞ。
 それをシャケが無理矢理。

 

                (interface_guide)
                  内心は?
                (/interface_guide)

 

 すごかった!

「もう、だからアイルちゃんってぼぉーとしすぎぃ」
「あ、あぁ、ごめん」
 頭の中で、ガイドと格闘していた。
 文字がカタチを得たら、日本刀を振り回して暴れそうな奴だった。
 危ない危ない。
「ねーねー、せっかくだしさ。この辺りをブラブラしようよ。ねーねー、どこか行きたいとこないの?」
「い、行きたいとこ?」
 そんなこと言われても、と僕は咄嗟のことに頭が真っ白になるが――しかし、数秒してパッとあることを思いついた。
「クジラの……」
 あまりにもあっさり閃いたので、自分でもびっくりだ。
「クジラの、生きていた部屋」
「……いいよ」
 シャケはほほえみを止めて、無表情に。そして、何故か僕の頭をなでる。
 ……いや、何故なでる?

 

 043

 

 だが、クジラの部屋には先客がいた。
 部屋というか、大体団員の寝床はチームごとに分かれていて、二つある二段ベッドでぎゅうぎゅうの部屋だ。二段ベッドをこよなく愛するのか、チームが八人や十人でも、一つのベッドに大量に寝かせて過ごさせるんだとか。
 ……リスが、クジラの寝床で頭をかかえていた。


「――もどろ」


 シャケが僕の肩を押して反転させ、退却。
 彼女は二狗の部屋に行く前なのか、行ったあとか――いや、行ったあとか。
 とても、神聖な時間のようだ。

 

「ま、ごめんね。シャケ達も色々と抱えてるものがあってだね。あ、そうだ。お姉ちゃんが通りで何かおごってあげるよ」


 頭をなでながら言うシャケ。
「……何故なでるんですか」
 あと、何故お姉さん?
 いや、実際この体と比較すると年上だけど。
「いひひひっ……」
「ちょ、――もう」
 シャケがニコニコしながら抱きついてきたが、悪い気はしなかった。

 

             (interface_guide)
               ヘンタイ。
             (/interface_guide)

 

 だから、うるさいよ。

 

 

 つづく → 第一六話「一人でいること」

 

 

 さいごに

 

 もう片方のブログ小説が終わったんで、ブログ小説の更新時間を変更します。

 今後は、火曜日と土曜・日曜に更新します。

 時間帯は、七時から八時頃をと考えております。

 

 唐突になりますが、何分よろしくお願いします。

 

 

 

 

 本編はこちらです。

 最初は、三番街の族『V』の九鴉が主人公ですが。

 徐々に群像劇に変わります。よろしく!

 

kakuyomu.jp