TVアニメ『響け!ユーフォニアム』 最終回 予告 - YouTube
いや、見たと言っても見たのは日曜なんですけどね。それの感想です。
はじめ、これを見た時に感じたのは「あぁ、空気が目に見えるようなアニメだな」でした。
空気というのはO2じゃなくて、むしろ集団が吐き出すCO2。吸ったら危険、吸うのではなく空気を読め、の方ですね。
本来はただのO2なはずなんだけど、まるで洪水のように流されたり、あるときは液体窒素のように凍り付いたり。正直言うと、俺が一番大嫌いなものです。
ユーフォニアム以外でこの『空気』が印象的だったのは、「桐島、部活やめるってよ」という映画でした。(本はまだ読んでない)
桐島という『中心』がいなくなったことで、混乱する人々。
逆に、桐島とはあまり関係なくあっけらかんとしている人々。
でも中にはその両者の“はざま”にいる人。桐島とはそんな近くにいないし桐島以外に中心となるものがあるんだけど、桐島に近しい人と友達なため迂闊なことが言えない――人達もいる。
ただのO2なはずなのに、猿ぐつわのように沈黙してしまうんですね。
ほんともう、見てて心が何度も苦しめられる映画でした。ほんと、これでもかこれでもか、と追いつめられましたが。でも、だからこそ、最後にある人物の選択がとても感動的だったのですが。
響け! ユーフォニアムは、部としてそれまで成り立ってなかったのに、途中からみんなをまとめる『中心』が出て話を進ませます。
それはまぁ、『目標』ですね。全国に出場するという、大変な目標。
みんなががんばって一気団結して目標に――と聞こえはいいが、中にはそれに乗れず脱落する者も出る。反発する者も出る。それでも進もうとする。だが、余計な噂が流れてそれのせいで練習が遅れたり、ままならない事態にもなったりする。
「だああああああああああああっ!」
と、我慢の限界で叫びたくもなる。
「どーでもいい!」と言いたくもなる。
もう、これらの場面の『空気』が目に映るようにはっきりとしたもので、ほんともう、息もつけないほど心が苦しかったです。
でも、それでも、立ち上がろうとする。立ち向かおうとする者もちゃんといて、だから俺はこのアニメを見て「おもしろい!」と最終回まで見続けたんですね。
結果、最終回もよかったです。
最初は、あまり乗り気ではなかった主人公も、次第に周りに感化されて。
楽器に夢中になり、もっと上手くなりたいと涙して――そして、その成果が最終回の演奏でこれまた明確な形になる。
いやぁ、ほんと感動的でした。
ここまでに至るに必要だった『空気』を描くのも、並大抵のアニメ会社じゃできないんですよ。
そう、それこそ誰が誰だか分からないようなメインキャラ以外の部員。そう、『モブ』なんてのを生み出すようじゃこのアニメは生まれなかった。そう、一人一人顔も違って、名前や細かな設定もちゃんとあるからこそ、みんなが生き生きとして、あぁこいつら息を吸うだけじゃなく余計なものも吐き出すんだろうな、と思わされる。京アニだからこそ、できたんでしょう。
まぁ、結局俺が何を言いたいかと、ですね。
感動した!
なんですが。
いや、ただ単に「感動した!」は味気ないじゃない。そんな空気のような言葉より、つらつらと熱く語りたいじゃない。
ほんと、すごい感動するアニメでした。
まだ見てない方は、いますぐ最終回を!
え、一話も見てない人は?
DVD買え!
そのぐらいの価値はあります。えー、それでは、長々とすいません。蒼ノ下雷太郎でしたぁ。