蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

それくらい自分で考えろ(ガッチャマンクラウズインサイト 5話 感想)

 昔、トイカメラが好きでね。

 いや、某破壊者さんのせいというか。ほんと、ディケイドは悪魔だと思うんですけど。

 ……えーと、分からない人もいるんでちゃんと解説。

 仮面ライダーディケイドっていう特撮がありましてね。いや、結構知っている人はいると思いますが。それの主人公が二眼レフのカメラ(のように見えるの)を持ってまして……まあ種類はトイカメラというんですが。ほとんど、おもちゃのようなカメラ。だから、トイカメラといってね。

 で、そのディケイドの色をした限定版。主人公が使ってたのと同じ奴が売ってたんで買ったんですよ。六本木を歩いてたら、たまたま見つけてね。でもそのときお金がなかったので、わざわざ近くに使ってる銀行のATMがないか探して、金を下ろしてね、で店に買いに行って……。

 いやぁ、実際買ったらすぐ壊れたんですけどね。

 プラスチックの素材だから、考えてみれば当たり前だし……。

 でも、値段がべらぼうに高いんですよねぇ。何万もして……でもまぁ、だけど見た目はおしゃれだからって、今じゃ部屋に飾ってるインテリアになっておりますが。

 

 

 実際、手にしてみたら案外思っていたものと違うのはよくあること。

 だが、トイカメラだったらまだインテリアになる。

 他にも俺の家には試しに買ってみたけど翌日、即インテリアになったギターがありますが。

 他にも昔は使い方の分からないスキャナーがあったし……幸せ家族計画……い、いえ、何でもないです。

 でも、これらならまだ、買って損したで済むからまだいいよね。

 もっとすごいものだったらどうしよう。

 最初に抱いていたものとは違う……最初に抱いていたイメージで全てを決めてしまう、それこそハロー効果で考えていたらどうしよう。こんなにも強大なものなのに……っての。

 言ってしまえば、選挙なんてのはその典型的な例です。

 

 今の流れを変えるにはあの人に入れるしかない!

 よし、政権が変わったぞ。これで日本も変わる!……あ、あれ?

 なんて例は一つや二つじゃない。

 いや下手したら、それすらも気付かないまま終わることもある。

 気付けばまだ良い方だ。

 郵政民営化をしたときは幸せだっただろうし、政権交代のときは幸せだったろう。他にもいろいろあるが……。

 

 さて、ガッチャマンクラウズインサイト 第五話である。

 

 

 いよいよ、始まったスマフォ選挙。

 最初は下の方だったゲルサドラだったが、丈の協力もあり、

 あと偶然のトラブルのおかげもあり、ドンドン票の格差を埋めていく。

 だが、ゲルサドラがふきだしさまによって人々の願いを得た結果、公約したマニュフェストは……。

 

 ……ねぇ。自力であらすじ書いたけど。

 ほんとは苦手なんだけど、あらすじ。

 まぁ、見てない人にネタバレするけど、ゲルサドラはクラウズ廃止を公約するんだね。

 で、ツバサもそれにノリノリ、で丈もゲルサドラに協力するんだが……(あ、これだと上のあらすじは順番が逆だ。まぁいいか。人は細かいことより、もっと目立ちやすいものに目がいくのだ)

 そう、本来なら漢字読めないや、昼飯はどうでもいいはずだ。

 いや、別にローゼン閣下とかを擁護するつもりはない。だが、それよりも考えなきゃいけないのは他にあることだと思う。例えば、ある水資源会社が……あ、いや、これはまた別の話題になりそうだし、何か言われそうなのでやめよう。

 少なくても、考えなきゃいけないことはもっと他にあるはずだ。

 その人がどういう思想なのか。これからの日本をどうしようとしてるのか。

 だが、人はもっと目につきやすい方にばかり目がいく。

 

 VAPEを組織し、数々の集団暴行事件を起こした理詰夢は、そんな人々を笑う。

 そして憎む。

 人間は賢い者ばかりではないと。

 2:6:2。

 必ず、馬鹿はいる。それこそ、猿としか呼べないようなどうしようもない奴が……と。

 実際、人間の自由意志なんてものは曖昧だ。

 

       
     映画『コンプライアンス 服従の心理』日本版予告編映像 - YouTube

 

 コンプライアンス服従の心理』という映画がある。

 これはアメリカで実際に起きた事件を元にしている。

 話のあらすじは。

 ファーストフード店で働いていた少女は、ある日、店長に呼び出されるんだね。

 何でも、警官から電話があったんだと。

 で、その人から盗みをしたんじゃないかと疑いがかかっているらしい。

 「そんなことしてないわ!」

 と少女は言うんだけど、言葉だけでどうにかできるもんじゃない。警官は、身体検査を望むんだ。

 まぁ、それで疑いが済むなら……と警官に説得され、それならと店長は了承するんだけど。(店長も女性だしね)だが、話はそれで終わるワケじゃなくて。

 

 で、話はどうなるかというと。

 ホント、胸くそ悪い話になるんだけど。ここは省略する。ひどいことになるわけだ。

 もちろんだが、この警官は偽物なんだね。

 だが事件は起きて、そして電話を聞いていた者は騙された。

 映画ではあくまでこの少女だけを取り上げてるが、他にもこのような事件が起きていたらしい。詐欺野郎に騙されるがままに、ひどいことをしたのだ。

 何故……電話を聞いていた者はまんまと命令を受けたのか。

 冷静に考えれば分かるだろうに、電話主の言われるがままに……。

 ミルグラム実験というものがある。

 教師と生徒に分けて、教師は生徒が問題を間違える度に電流を流させるんだ。それこそ、下手したら死ぬかも知れない電流の強さ(機械にメーターみたいなのがある)も知らせた上で。

 で、やらせてみたら、教師役はあっさりと生徒が死ぬほどの電流を流しちゃったんだ。(ちなみに、電流は実際は偽物で電流を受けたのも演技……だったらしいが)

 でも、あっさりと境界線を越えたのは本物だった。

 これは、何故ナチスドイツはあんな非道なことをしたのかを探るための実験だったらしく、人は誰かに命令されたときあっさりと道徳とかいうものをブッ壊しちゃうことが分かった。これは自分がやったんじゃない。命令されたんだ。だから、自分のせいではないと。

 あと、また急に話を変えるが、某ファーストフード店の椅子は、非常に座り心地が悪いらしい。

 これは、客の出入りをスムーズにするために、わざとすぐ店を出たくなる椅子にしてるんだとか。(客は店を出ようとするとき、自分の意志でそれを選んだと思うが)

 他にもサブリミナル効果だとかいろいろあるが……ともかく、人の意志というのは案外脆い。

 それこそ、そんな人々を笑う理詰夢でさえ、危ういほどに。

 

 俺は間違えて購入したものは数知れず、トイカメラ、ギター、スキャナー……コ、コンドー……いや何でもない。

 だが、こんなものはまだ笑い話で済む。

 これが政治だったら?

 この国の首相だったら?

 ぶっちゃけると俺もやっちまったなぁ、はあるよ。

 現実の日本は首相は間接選挙だが、国会議員などは直接選挙だ。

 各地域によって選ばれるが……そのとき、みんなどうやって選んでる?

 いちいち、その人がどういう思想か。これからどうしようとしてるのか。これまで、何をしてきたのか。ちゃんと調べた人はいるのか?

 ぶっちゃけ、俺はその人がどの党に入ってるかで決めるが。

(しかもそれも、今はあの党が主流だし。それなら、違う党に……)だったりする。

 それは本当に正しい行為なのか?

 

 いや、中には空気で決める人もいるだろう。

 じゃあ、その空気とは何か。

 あの人はダメで、あの人は良いという空気。

 それの根拠は何だ?

 人々の前で老婆を助けた、漢字を忘れた昼飯が……。

 根拠はあるのか?

 それをしたら、国を悪くするという根拠。

 いやそもそも、人々は根拠を求めてるのか?

 何でも良いのか?

 何でも良くないのか?

 ホント、ワケワカメなものだね『空気』は。タチの悪いことに空気は見えない。

 ユーフォニアムの感想でも書いたけどね。

 ホント、O2なのかCO2なのかも分からない。ホントにそれは元からあったのか人々が出した物じゃないのか。

 というか、それって空気っていうか感情じゃね? とかね。

 

 目の前にいる人を助けたい、っていうのも感情だ。

 感情によって動いてる。

 でもこれは間違ってはいないよね。

 だって、目の前に死にそうな人がいたら、いやそりゃ助けるでしょ。ちょ、どうしたんですかって。それを間違ってるなんて誰も言えるはずがない。

 だが、ずっと正しいわけでもない。そもそも、正しい正しくないは人が決めた概念だ。

 全てを感情で決めていったらどうなるか。

 アメリカで起きてる暴動なんてどうだ。

 もしくは、フランスで風刺画のときの事件は?

 さらにいえば、最近の日本は?

 もっといえば、イラク戦争のキッカケは? 少女が目の前で泣いてたら、そりゃ助けるのが人の道理。だが、それで起きたことは何だ?

 

 分からない。

 分からない、分からない。

 ほんと、分からない。

 現実でもこんな分からないことだらけなのに、もういいよ、じゃあ現実逃避でアニメ見る、とチャンネルを回してみたら、ガッチャマンクラウズインサイトは逃げようとしたら現実をアニメで見せてくるわけだ。

 第五話では、女子高生らしいグループから握手を求められる。

 これは同意する。「いいっすよー」

 だが、選挙は誰を選ぶの? と聞かれたらそれは断る。

 「内緒っす」

 それくらい、自分で考えろ。

 考えることを止めるな。思考停止は止めろ。

 それは皮肉にも、ゲルサドラやツバサに協力した丈も思っていることなんだが……。

 

 

 ほんと、今回はより現実の投影がすさまじくてね。

 今の日本をありありと見せつけられるようだったけど。

 その上で、宇宙人やら変身ヒーローやらが出てくるんだよね。

 現実にはありえないようなもの。

 でも、冷静に考えてみたら。

 だからこそ、本当にヒーローとは何か? を考えられるのかもしれない。

 だからこそ、現実の日本も考えられるのかもしれない。

 現実にはありえない組み合わせだからこそ、現実以上にものごとを考えられるかもしれないのだ。

 ……ということを、考えたのでした。

 ふぅ今日も疲れた。蒼ノ下雷太郎でしたぁ。