蒼ノ下雷太郎のブログ

一応ライターであり、将来は小説家志望の蒼ノ下雷太郎のブログです。アイコンなどの画像は、キカプロコンでもらいました。

真魚八重子さんの『映画系女子がゆく!』を読んでる(『映画系女子がゆく!』 感想)

 真魚八重子さんの『映画系女子がゆく!』を読んでる。

映画系女子がゆく!

映画系女子がゆく!

 

 真魚八重子さんのことは映画秘宝で知ったが、ここに出てくる映画は恋愛系が多い。映画秘宝や別冊秘宝では、激情にかられた荒くれ者ばかりが疾走する中、「私も負けてたまるか!」と熱が伝わる文章だが、こっちではそれよりも目につくのは繊細さである気がする。

 

 映画を作った人が映画にこめた想いや、意匠を、目に見えない糸をたどるように見つけ、明確化し、それを表現豊かに文章にする。

 ――って、これだけなら映画秘宝でやってることと同じだ。いや、何人か「嘘だろ?」と思うかもしれないが、本当だから一度読んでほしい。とくに、自分が感動したのは映画秘宝EXの『最強アクションムービー決定戦』だ。詩人のように詩的で感受性豊かでありながり、伝わってくることはアニマル浜口のように熱い文章なのだ。何言ってんだこいつと思うかもしれないが事実だ。(いや、そもそも詩人にも熱いの書く人いるけどね)

 この本では、熱は若干抑えめで、かつ、普段のノリで細緻に語る。そして、繊細さだ。

 繊細さ。

 弱々しいからこそ、それが放つ引力というものがあって、太い手ではなく細い手、太い手が持つ力強さに引っ張られるのではなく、自分から引っ張ってしまいたいような引力。

 ともかく、読んでてファウスト系の小説というか。文学じみたミステリー小説を昔から読んできたので、懐かしい気持ちになった。かつ、俺は男なので女性の視点は未知の経験であり、そういう点からも楽しめてると言える。

 あ、言い忘れてた。この本は映画に描かれる女性たちに焦点を当ててるのである。

 俺みたいなモテないワナビには特に重要ってね、自分で言ってて悲しいや。

 ともかく、おすすめです。

 蒼ノ下雷太郎でした!