推理小説書いたり書かなかったり、悶々としながら、明智小五郎の美女シリーズ、盲獣や人間椅子を見てなかったので慌てて見たり、ふー、これで消化してないタイムシフトはないと思ったら仮面ライダーBLACKがあったり、どうも蒼ノ下雷太郎です。
『悪魔のいけにえ 2』を見た。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: DVD
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いや、上の流れで何でこれの感想かと言われたら……な、何となくになってしまうんだが。
ほんと、とくに意味はない。何となくだ。
作品の完成度としては、天知茂さん演じる明智小五郎の方が数倍いいのだが(いや、シリーズ全体ではなく単体で『悪魔のいけにえ 2』と比べると)だが、インパクトが強いのでね。色々な意味で。椅子の中に隠れてはぁ……はぁ……やってる奴よりもヒャッハー! の方をとったのだ。いや、どっちも変態(馬鹿)であることに変わりはないのだが。
完璧なホラーといってもいい前作、『悪魔のいけにえ』の続編である。
監督は前作と同じ、トビー・フーパー。どうしたんだ、トビー・フーパーと言いたくなるが。
いや、監督が変わって台無しになるのは分かる。そんなん散々見てきたが、これは監督が同じで何故こうなったという映画だ。というか馬鹿だ、馬鹿映画だ。
冒頭から、前作の後日談が分かるがまぁそれはいい。
そのあとに車乗りながら拳銃撃ってヒャッハー! をする馬鹿二人が出てくる。手当たり次第に看板を撃って、俺って最強じゃね? と思ってるそうな奴ら。日本にも田舎にいるよね、馬鹿な不良って。もしくは、駄目なマッドマックスだ。で、こいつらは気分も最高潮に達し、ラジオのDJに電話をかけて、うざがられても電話を切る気なんて毛頭無い。ヒャーハー、ヒャーハー草の根生やして迷惑かける。脳みそが沸騰してるから彼らの暴走は止まらず、危うく、リスナーは延々とこの馬鹿共のキーキー声を聞かなきゃいけないのかと絶句したとき……レザーフェイスが現れる。
いや、それホラーの怪人じゃなくヒーローの登場の仕方だが。
正直、彼が駄目なマッドマックスを抹殺する辺りはホッとした。はぁ、よかった。こんな奴らが延々ヒャッハーやってたら、もう悪魔のいけにえを信用できなかったと。
……いや、結局信用できないんじゃね? という流れになるのだが。
馬鹿を殺したレザーフェイス(ちなみにこいつ、皮を被ってます。文字通り、人の顔の皮をマスクにしてる)、で、次はラジオ局に乗り込んでDJを襲うんだ。
日本のラジオ局とは違い、(おそらく)たった二人でやってるようなほんと小さな局なんだけど、そこで頭に鉄板っぽいのつけてる男がナイフで暴れ、レザーフェイスがウォーウォーやったりする。ここまでなら不条理なホラー映画と分からなくもない。だが、レザーフェイスははっきり言って馬鹿だ。
DJの女性が「殺さないで!」と言ったら、何となく殺しちゃいけないってことは分かって、でも普通とか常識とかそんなの教わってこなかったから、やっぱりちょっと殺そうと思い直したり、意味もなくプルプル震えたり、アジトで再会しても、とりあえず皮(人の顔の)を被せてみて交流はかったり、……あれ可愛い? と迂闊にも思ったりしたけど。
あれだね、『おそ松さん』でいうと十四松みたいな。(反論あるだろうけど)
で、今回はただ人々がレザーフェイスやその家族に屈して、食われるばかりじゃない。反撃しようとする――復讐を目的とするおっさんもいるんだ。
このおっさんも、チェンソーを売ってる店で二つか三つ買って、最後は二刀流ならぬダブルチェンソーをちゃっちゃう、色々残念な人なんだけど。(最後、アジトに乗り込むんだが、とりあえず手当たり次第に柱を切ろうとしてるのも馬鹿だ)
ともかく、ホラーというか馬鹿というか、もうコメディにしか見えない要素がてんこもりだ。
そもそも、襲われるDJの女性――えーとこいつが、名前をヴァンティア・”ストレッチ”・ブロック?
ストレッチでいいか、ストレッチはともかく叫びまくり、泣きまくり、無駄な行動が多すぎだ。ホラー映画といえば女性が悲鳴を上げて逃げるのは定番と言えば定番だが、しかし、それにしてもひどすぎる。レザーフェイスに襲われたとき、股を開いて悲鳴上げてずっと身動きしないシーンとか、てめぇなめてるのか戦え! と何度激怒したことか。(いや、文字通り、ほんとそんなシーンがあるのだ。股を開いては卑猥な意味ではなく)アニマル浜口だったらブチギレて、俺がお手本見せてやる! と戦うだろうし、ザ・レイドの主人公だったらめった刺しだ。それに比べてこいつは! と。激おこプンプン丸だ。
……いや、比べる相手が間違えてるのだが、まぁいい。
ともかく、もう怒って怒って、この映画、ほとんどこの馬鹿DJの悲鳴が流れるからキレちゃってしょうがないんだ。
……と、ここまでキレたけど、最後はよかった。
ラスト辺りは、レザーフェイスの兄貴にナイフで切られながら逃げるんだが(ここのシーンも、何度も蹴りを入れてチャンスなのにトドメを刺さないとか意味不明なとこが多く、ほんと残念だが)しかし、最後は偶然伝説の剣のように置かれてあったチェンソーを手に取り、見事鉄板兄貴を斬殺、ウォオオオオオオオオオオオオオオッ! とまさしくマッドマックスのように雄叫びを上げて、真の人間性、戦わなければ生き残れないを獲得するのである.感動した。どこぞのタイガさんも見習ってほしいものだ。
散々言いはしたが、ネタとしてはよいと思う。
だが、前作の完璧なホラーを求めるならこの映画は……何だろうか。
まぁでも、皮を被せた辺りのレザーフェイスはちょっとかわいかったね。いや、俺ホラー映画の怪人に全て感情移入するわけじゃない。ゾンビ版のハロウィンとか、シーデビルだっけ、韓国の。思わず同情してしまうようなキャラじゃないと好きになれないんだ。ただ殺し回るだけの殺人鬼なんて大嫌いだよ。でも、レザーたん……ちょっと、かわいかった。
いや、現実に会ったら最悪だけどね!
ともかく、以上『悪魔のいけにえ 2』の感想でした。
蒼ノ下雷太郎でした。
した!